食品衛生なんでも相談室トップ>|資料目次2資料目次1<相談室へ戻る>

(作成 2014/01/24 最終更新 2015/03/01)

資料32 厚生労働省 食中毒事件一覧速報より

 平成26年1月17日に報道された、浜松市の学校給食パンによるノロウイルス食中毒事件以後、相次いでノロウイルス食中毒の報道されている。
 平成25年末までは、ノロウイルス食中毒が例年以上に発生している感覚が無かったが、年末あたりから様子が変わったのだろうか?もう少し様子を見る必要がある。
 

(1)ノロウイルス食中毒発生の推移

厚生労働省の食中毒事件一覧速報
のデータをもとに患者数の推移をグラフにした。
(平成16年〜平成25年)

 グラフ(image51_2.jpg)

(2014/02/16 補足)ノロウイルスは12月から1月にかけて、感染のピークになるが良く似た性質を持つロタウイルスはこれより遅れて4月がピークになる。
参考:『ロタウイルス感染性胃腸炎とは』国立感染症研究所


(2)平成25年 食中毒発生状況(確定)


  ノロウイルスが件数、事件数とも圧倒的に多いことがわかります。




(3)食中毒発生状況の推移

厚生労働省の食中毒事件一覧速報から、平成15年〜平成25年の発生件数の推移をグラフ化しました。グラフの左軸は発生件数、右軸は患者数です。
平成25年は確定数です。

食中毒事件数、患者数の推移
牛ユッケによる腸管出血性大腸菌食中毒、牛レバーの生食禁止により、肉の生食の
危険性が周知されてきており、それに伴い肉由来の食中毒が減少しているようである。
ノロウイルスは予防対策のほころびをつかれ猛威をふるっている。
平成18年にGU4の流行が有り、平成24年はその変異型の流行があった。
カンピロバクターは漸減傾向が続く。
カンピロバクターはノロウイルスに較べ1件当たりの患者数は少ない。
漸減しているとはいえ、相変わらず、刺身など肉の生食による事故が続く。
サルモネラ属はサルモネラ・エンテリティデスの漸減傾向に加え、食肉の生食の
自粛もあり、減少が著しい。
しかし、鶏肉はじめ食肉のサルモネラ汚染状況は相変わらずであり、気を許せない。



備考:グラフでは速報の原因の種別名称の一部を省略しています。正しくは、カンピロバクターはカンピロバクター・ジェジュニ/コリ、腸管出血性大腸菌は腸管出血性大腸菌(VT産生)、エルシニアはエルシニア・エンテロコリチカです。