タイトル | : 保育園等での食中毒 |
投稿日 | : 2020/12/26(Sat) 22:54 |
投稿者 | : おっと |
相談に関連して補足です。
HACCP方式の衛生管理は食中毒事件発生防止にとって有効だと思うのですが、加熱の温度管理に頼るだけでは食中毒を完全に防止することはできません。
まず、どのような失敗事例があるのでしょうか。
そもそも、保育園や学校の給食では、原則、昼食の提供で、当日調理になっていると思います。
このことが、食中毒の発生が少ない大きな理由と思います。
しかしながら、厚労省の統計資料から平成27年から令和元年に保育園や幼稚園で発生した食中毒の病因物質を調べたところ、次のとおり42件を確認できました。()内は発生件数です。
ノロウイルス(16)、ヒスタミン(15)、サルモネラ属菌(6)、カンピロバクター(1)、腸管出血性大腸菌(1)、その他の病原大腸菌(1)、セレウス菌(1)
ノロウイルスとサルモネラ属菌は食品の中心部まで火が通るように十分に加熱することで防止できますが、加熱が関与しない部分で食中毒が発生しているようです。
ちなみに、少し古いですが、事業所給食なども含めた集団給食における食中毒は次のような状況でした。
◇ 集団給食施設における食中毒の原因となったメニュー例と防止対策(当相談室)
http://www.shokuei.sakura.ne.jp/archive/genin.html
次は、発生要因は特定できませんでしたが、次のような事例もあります。
◇ ブロッコリーのおかかあえが原因となったG群溶連菌食中毒(今日の疑問)
http://shokuei.sblo.jp/article/183386498.html
保育園児などはサルモネラ属菌とヒスタミンに感受性が高いことが知られています。
◇ 保育園給食でのサルモネラ属菌による食中毒(今日の疑問)
http://shokuei.sblo.jp/article/180606173.html
◇ 保育所給食で「まぐろの味噌がらめ」が原因食品となったヒスタミン食中毒/山梨県(今日の疑問)
http://shokuei.sblo.jp/article/184559696.html
◇ 集団給食施設でヒスタミン食中毒が起きるのは原料の魚に問題がある(今日の疑問)
http://shokuei.sblo.jp/article/181951436.html